江戸の人気浮世絵師
江戸時代の代表的浮世絵師15人を、当時の評論メディアによる番付や日本美術史における重要度をかんがみて選出。当時の相対的評価や、現代での研究上の位置付け、また絵師個人の生涯も端的に知ることができた。
ラスト・ストーリーズ
遺作となった短編集。技巧が深すぎるために読みが追い付きづらい部分もいくつかあったが(露出狂のケースを扱った作品は訳者解説を読むまで意味をどうにも取れなかった)が、最後に収録された少女ひとりと中年女ふたりの間の微妙な空気とその余波を描いた作品はトレヴァーにしかあぶり出せない情景だなと感じ入った。真相は藪の中に置かれたままの母と青年の会話の作品もいい。