ヤコとポコ

既巻1冊。若い少女漫画家のヤコ、そのアシスタントロボットのポコ。AIが発達しつつも『革命』によって携帯電話やインターネットといった通信手段が制限された世界でマイペースを保ちつつも、編集側の要求に頭を悩ませたり、子どものようでありペットの猫のようでもあるポコとの距離感の保ち方にときに考え込むヤコの生活を描いたコメディ。読んでいて非常にホッコリする。しかし、和むだけで終わらないのはこの漫画の世界が閉じては感じられないだからだろう。ヤコが意識しつつも、自分の作風や制作姿勢とは相容れぬものを感じているらしいライバル漫画家を主役としたエピソードが収録されているが、そのオチが定番の展開とはちょうど逆をいくのである。その(やられた!)感には、世の中どっちが正しいとか間違ってるとかは別にないよと、張った肩をポンと叩かれたような風通しの良さがあるのだ。