「BLOOD C」全12話視聴完了

ほんわかとした学園シーンと血ほとばしるバトル描写という構成が基本なのだが、その割合が1クール構成の中で序々に逆転していくという趣向が、いまひとつぎこちないのではないかというのが終盤にいたるまでの不満点だった(ので実際のところ、神社や喫茶店に校内での会話シーンは早送り状態で視た箇所も多い)。ゆえに意外だったのは、最終話での殺伐とした相関状態でのドラマとそれに付随する戦闘シークエンスの数々が、かなりの効果を挙げていた点だった。ねらった構成だとしても少々、視聴者に我慢を強いすぎだろうという観はあれど、それをやり遂げた水島努監督の挑戦的な姿勢は語るにたるものがあると思う。ヒロインののんきな放歌にめげずに序盤で視聴を切らなかった自分をも誉めてやりたくなる(笑) …しかし、なにはおいてもヘリを追う時の小夜の咆哮は表情の作画、演技の強度どちらもすばらしかった。疑念が事実と認識された時、人はああいう幼児がむずがるような悔しさの発露をみせる。それは怒りであると同時に解放なのだ。