アジャストメント

映画化に便乗しての落穂拾いかと予想してたけど、なかなかどうして粒揃い。踏み出しすぎてSFというより実存小説のようになっている『電気蟻』が妙に忘れ難い。作者の自己分析が相当ストレートに反映されていると思しき『凍った旅』の切なさ、ノスタルジーとユーモアの匙加減がいい『さよなら、ヴィンセント』…どれもほんとにいいなあ。テーマが同じようでいて、変奏パターンはそれぞれ別で。