海獣の子供(4)

海獣の子供 4 (IKKI COMIX)

海獣の子供 4 (IKKI COMIX)

オーラス前。この巻では、琉花、加奈子、アングラードという彼岸の世界へのアンテナを併せ持って地上で生きる三人に焦点が合わせられており、海というもっとも近い異界が持つ危険でありながら豊かに秘められた可能性、その住人たちの言語に頼らないコミュニケーション(世界の中では人間は少数派、だから自分は人間外の世界の方を多くみつめるけど、それは他の人とは違うらしいという加奈子の述懐が非常に印象的)が示す一般的視点の倒置とがさらに効果的に迫る仕上がりになっている。次巻で完結とのことだけど、中立に見えつつも実は本心が最も見えない庇護者、ジムの挙動が展開上のポイントになるような気もする。