屍体狩り

屍体狩り (白水Uブックス―エッセイの小径)

屍体狩り (白水Uブックス―エッセイの小径)

中近世ヨーロッパにおける屍体モチーフ芸術作品を研究テーマとする女性専門家によるエッセイ集。有力者の死後いくばくか経った遺体をあえてリアルに活写して生者の戒めとするといった趣の彫刻作品が、かつてのキリスト教圏ではひんぱんに教会に置かれていた(しかも生前の本人からの注文で作られていたりするという)というのは、かなり意外でインパクトがあった。当時の人々の死生観の底知れない複雑さや恐怖心の強さが感じられて。