屍姫 赫#8

「安らぎ」:セリフに込められた複雑な想いの喚起(一見単純そうなハンマー娘の「…もうしゃべらないで!!」)に、描かれてないシーンを補う説明臭くない状況の提示(伊佐木からの思わぬ強い抵抗で不良たちが殺害にまで到ったらしい点)、語りすぎずに心情を表現(アキラによる粛清を受け入れたミナイの真意のあやふやさ込みで)、主人公である旺里が無垢で無力な地点から決定的に動いた瞬間のタイミングの巧さ(友人たちの前で連行中のパトカーに叫びながら突進)と、個人的に初めて會川昇脚本で感心させていただきました。絵コンテ担当の水島精二との相性がとても良いらしいということも。作画上では感情的リミッターの外れたミナイのパワータイプな戦いが良かった。車の持ち主、まどうてもらえたやろか。あ、あと伊佐木が屍姫からも呼び捨てられるほど評判が悪いってことがダイアローグの片隅から分かったのと、なんで旺里がミナイだけいきなり距離すっとばして親しげにふるまったかがフォローされてたのも良かったです。単純に好みだったのね(笑) そうそう、執着に善悪もないという仏教観を単なる絵面モチーフを超えて扱ってたのもよく出来てました。くどめな後味ではあるけど、いい回だった。