屍姫 赫#11

「ある夜」:北斗が見る世界の描写がこの世ならぬもので面白い。人の本質を喝破するかのようで、赤紗は彼女には泣いている子供にみえるわけだ。その仲間の胎衣(って字面で合ってるかな)がちょっとした善意を誘って旺里に接触する描写はえげつないと同時に、 引き返せない状況が段々傾斜が激しくなる坂道を下るような感覚で積み上げられる焦りに似た印象で忘れがたい。味方組織のつかみどころのないぬらりくらりとした有り様といい、自分がかつて「ギルガメッシュ」で馴染んだむらた雅彦監督らしい演出具合になってきたと思う。絵コンテでは、景世の昔語りのシークェンスでの、身振りを通して現在と過去につながる表現が面白かった。作画の人らが実に意図を掴んでるんだなあ。