泥汽車

泥汽車 (物語の王国)

泥汽車 (物語の王国)

独特の陰影があって、なおかつ飄々とした不思議な推理小説を書く作家というイメージがあって短編集を借りてみたけど、初っ端のセレクトにしては間違えたっぽい。それでも、画家が無くした一張羅のジャケットの遍歴を想像する『じゃけっと物語』と土着の神が信仰あらたかな女の息子たちを助けたりしくじったりする反戦的おとぎ話『媽祖の贈り物』などは拾い物的。