回転('61 イギリス)

ヘンリー・ジェームズの有名な短編「ねじの回転」が原作ということで、未読ながら話の筋に興味があったのでWOWOWの放送を視てみました。ホラーのような心理サスペンスのようなプロット。映画原題が「Innocents」で、劇中の中心人物である子供ふたりの内面への懐疑を示すとともに、彼らを見る側である女性家庭教師の観念の反映をも表していることから考えるに、幽霊描写こそあれどどちらかといえば抑圧的な性質と閉鎖的な環境が生む一種の緊張関係の方にこそ重点が置かれたつくりに思える。なお脚本クレジットにトルーマン・カポーティの名が。それにしても映像に品がある怪談映画でした。けっしてありがちな「怪しい豪奢なお屋敷」という舞台設計はされてないし。大きな池もある庭の自然な静謐さが印象的だった。