人間和声

4人編成コーラスによって、人間を超えた存在を呼び出してみずからを新たな次元へ送り出そうと図る隠退した聖職者に、秘書として従うことになった平凡な青年の冒険を描く長編小説。オカルト神秘学にビルドゥングスロマン風味が付け足されているという感じ。クライマックスでの超常現象を、その現場の視点でこそ描写してほしかった肩透かし感はあるものの(まあいつものブラックウッド既定路線ですよね)と納得している自分もいたりして、やはりこの作者の魅力はよく分からん… でもなぜか読んじゃう☆というところに収まったのだった。強いていえばキャラクターの親しみやすさに惹かれるのかなあ。