「有頂天家族」第4話『大文字納涼船合戦』

京都の夏のクライマックス、五山の送り火の夜に空高く浮かびあがるお座敷。その開かれた襖から垣間見える眼下の夜景が、リアルなようでデフォルメもきちんと為されている按配、しかも高空を進む速度に合わせて違和感なく夜景が動くものだから、ほとんど疑似体験アトラクションに居るかのような強いインパクトを受けた。ストーリーの方は、楽しさの中にチラリと見え隠れする寂しさや悲しさの隠し味が相変わらず独特。思わぬ助太刀で仕込まれた神具でいざこざに勝っても、すぐに墜落が待っているほろ苦さ。寓話としての誠実さをそこに感じる。