図説 聖人と花

図説 聖人と花

図説 聖人と花

20世紀半ばに多くの聖書にまつわる伝承を紹介した著者による、聖人由来の季節折々の花とそれに関連した祭事についての、軽い啓蒙色の入ったエッセイ本。夏至に野原で火を焚くのは、盛りに昇った太陽への礼賛を意味しているのかと今まで思っていたが、逆にこれから下り坂の季節に入ることを不安に思って太陽へとエネルギーを継ぎ足すためだとか、思いがけない知識が手に入ったのは収穫だった。名前も聞いたことのない聖人たちも、後世で関連づけられた草花の写真画像とともに印象づけられれば記憶に残りそう。聖人のシンボルとしての事物とともに描かれた花の紹介として、有名な(そしてさほど有名でないクラスの)名画も多く載っており眼福だった。