真夜中のギャングたち

真夜中のギャングたち

真夜中のギャングたち

日本映画の極道ものをはじめとした裏社会ストーリーからインスパイアされた超短編の数々。陰気な下っ端マフィアに惚れたウェイトレスがにっちもさっちも行かない状況に陥って、その先が見えないまま終わるという恋の皮肉を描いた「熱を上げる」、どうも日本現代映画と中国古代劇が混ざり合わさっているように思える舞台と道具立ての「昔のやり方」など、身も蓋もない結末にリアリスティックを感じながらも、口あたりそのものはこの上なく軽いユアグロー節が、章をすすむごとに乗っていくあたりにいつもながらの醍醐味が。