アンドロメダ… ('71 米/監督:ロバート・ワイズ)

アメリカ、砂漠地帯の辺鄙な町に宇宙で採取されたサンプルを搭載した衛星の落下が確認される。だが回収に訪れた軍部兵士が見たのは即死状態の屍累々。緊急事態が発令され、国家により召集された専門家たちは保護服に身を固め再度の回収に向かう。そこで見つけたのは無許可で開けられた採取カプセルとたった二人の生き残りである赤ん坊とアルコール中毒の老人だった。そして、秘密地下施設に潜ったスペシャリスト4人の未知の病原体との数日という短期決戦が始まるーーといったあらすじ。構成、語り口、セット美術にいたるまで非常にシンプルな映画であり、無気味な題材を扱っていながらも観終えた後が清々しい。それでいて秘密研究施設のガジェット(現在のSFものに出てくる装置の原型がゴロゴロ出てきて楽しい)へのこだわりや、専門知識を過剰に単純化しないように尚かつ分かりやすく伝えるという娯楽作ラインへの気配りなどが手堅く、万人向けの秀作になっている。マイケル・クライトン原作というクレジットを見た時は、70年代にすでに活躍していたのかと驚いた。