ナイン・ストーリーズ・オブ・ゲンジ

日本人作家9人が「源氏物語」のそれぞれ異なる帖を担当して“翻案”。原典へのスタンスはそれぞれに異なる。なかでも金原ひとみの『葵』がもっとも大胆な改変をみせていた。巻末とその一つ前に配置されていた桐野七生の『柏木』と小池昌代の『浮舟』はさすがに情念の凄みが感じられる貫禄。