忘念のザムド#8「詰腹峠のヒトガタ狩り」

この回を見るためだけでも、今まで本作を視続けて良かったなあと。そう思える脚本と演出、作画の三拍子の合い方。まず、友人たち三者のなかで割をくった役回りにされたフルイチ、実はリアルに性格設計されているのは彼の方であるのに注目が行った。やや幼稚な私情が軍隊という集団主義に突き動かされて自分にとって何が大事かも分からなくなるという複雑さを見せるフルイチの脇で、アキユキとハルはただ清く、単純明快である。うそくさい。こいつらジブリワールドの住人だ。こんないい人いないんじゃなーい?…と思ったところで、それでも彼らの再会には感動させられてしまうのであった。タイミングの計り方が、大仰でないのに巧かった。畳み掛けるかのように新キャラの雷魚を出してくる惜しげも無い盛り方もしかり。