獣の奏者エリン#46「ふたりの絆」

エリンがイアルの堅く固い心根を哀しく想って涙を流すシーンは、星井七瀬が演技者として見失いかけていたエリンを再度つかまえた瞬間のように聞こえて感動が倍増した。どうにか、主人公キャラクターの空中分解を避けたなという印象の回。エリンにとってイアルは一番近い他人であり、最も遠い自分。イアルにとってもおそらく同じ。だから心の触れ合いによって自分の傷ついた魂を慰撫できるし、それでいて臆病さを振り払う選択もまた可能になる。こういう主観と客観との間隔を貫き吹き飛ばす結びつきは実は現実においてもままあるものなんだろう。作画も端正なカットがちらほらあった。