鋼の錬金術師FA#27「狭間の宴」

ホーエンハイムが不老の存在(超長寿者か不死者かはまだ不明)である事が婉曲的に描かれるエピソードと、これまでの映像とで構成されたいわゆる総集編要素とを緻密に絡み合わせた異色回。回想の主体者が主人公以外で、しかも現在時間軸上の現実の出来事とブラフさせた内的観照世界を描くというのはアニメではめずらしく相当に印象的。まさか今回のピナコがホーエンハイムの人間側感性の仮面人格だとは。あとトリシャの移り行く三態(幼女時代は別人かも)を感傷こめて演出上で用いたのはジンときた。ピナコとトリシャだけが、ホーエンハイム(ところでヴァンもホーエンハイムも苗字の類だと思うんだけど、個人名を持たない者ということだとすればなにやら意味深)のここ“近年”で本当に近しく接した相手なのかもね。ホーエンハイムのようにただ一人で永遠を生きるには、たしかに世界体制に干渉でも仕掛けないことには間が持たんかもしれんとも思ったりした回だった。