無頼の画家 曾我蕭白

無頼の画家 曾我蕭白 (とんぼの本)

無頼の画家 曾我蕭白 (とんぼの本)

蕭白の生涯や人物像に焦点を当てた書籍はこれが初めて読んだものにあたるかもしれない。作品傾向のエグさに共通点がある岩佐又兵衛ほどに苛烈ではないものの(まあ戦国時代と江戸時代という背景の差があるし)、同時代の若冲の安定した人生とくらべると蕭白は身内との死別が多かったようで、そこに作品が含有する印象の激しい振幅の由来があるというのは分かった。それを知った上で、代表作を概観すると一見静かな雰囲気の山水画や動植物絵により心惹かれてくるような気もする。