未見坂

未見坂

未見坂

近年出た日本の短編集の中ではおそらく最高の作品と思われる「雪沼とその周辺」と同じスタイルの連作短編集。ただ、こちらには枯れた味わいではなくしたたるような現在進行形の情感が通低するテーマとなっているので、好みは分かれるところかも。私は「雪沼と-」の方のキンと冷えながらも同時に柔らかな質感を内包した冬に似た空気の方が断然好きだけれども。