ストレンヂア 無皇刃譚('07/監督:安藤真裕)

武士道とは死ぬことと見つけたり。というか武士道も信仰もうそうそうそだよーんともう高山文彦脚本の人の悪さが炸裂しまくり。感動に近い感心はしたが、誰も幸せになってねー&そしてだれもいなくなったなオチには突きはなされた気もしないではない。ところでヒロインは金髪大男を慕ってた中国少年にしか見えなかった件。姫様は徹底的に添え物の花だったなー…といった軽口はさておいて、オカルトファンタジー色も展開上に多少は入っているものの、世界観自体は戦国の世を映した時代劇をきっちり踏襲。状況において“顔”を使い分けるキャラクター描写といい、若い娘など一切出てこない地味な雑踏描写といい、最近の実写映画よりよほどしっかりと時代劇していた。BONES名物肉体の重みを感じさせるとともに動かしまくるアクションアニメぶりも大盛り状態だし、演出上でのタメがあまりにもあっさりしすぎて(尺をもう10分増やしてもよかったのでは)情緒性が物足りない点以外はとても良く出来ていると思った。いやあしかし人死にのあっさりしていること、多いこと。高山文彦氏の関わった作品の特徴だけど、本作では特に著しい。