記憶に残っていること

記憶に残っていること (新潮クレスト・ブックス 短篇小説ベスト・コレクション)

記憶に残っていること (新潮クレスト・ブックス 短篇小説ベスト・コレクション)

新潮クレストブックス10周年を記念してレーベルの中から堀江敏幸が選んだ短編10本からなるアンソロジー。前半6本が若い才気、後半4本が老成の味という雰囲気。しかし一番よかったのは堀江氏のあとがきだなあ。地味すぎるきらいのあるセレクトがその部分を読んだあと、ダイヤモンドがカットされるがごとく途端に輝きを増すという。それとソフトな手触りと洗練されたデザインの、軽いけど安っぽさのない装丁がとてもいいです。衝動買いしたくなるタイプの本だ。