猫のパジャマ

猫のパジャマ

猫のパジャマ

カバーが耳付き(でも図書館読みだと透明保護膜貼られてて確認できない…)。折り返しの著者写真でブラッドベリが抱えてる黒猫の顔とそっくりに仕上がってるのが心にくい。80歳をとうに超えた新刊で、1950年代のものから新世紀に入ってからの短編(前書きによれば娘に電話で口述筆記させているようだ)まで編まれている。近作の方はさすがに、意図的な結末のぼやかしが作上のあやふやと混同されているきらいがあるものの、叙情に徹した語り口は変わらないままでファンとしてはブラッドベリが「ピンピンしてるし、書いている」こと自体がうれしい。全体の印象としては、少年時代の黒人メイドへの親愛が大きな原動力となっている、白人優位主義への問題意識が根本にある作品が多かったかなと。表題作は、愛猫の寝巻きを自作したという女性キャラの愛らしさにノックアウト。なお「猫のパジャマ」とは俗語ですばらしいもの/人を意味するのだそうで。かわいい語彙だなあ。