機神兵団＃2〜7

機神兵団 [DVD]

二年にわたったリリース、キャスティングの手堅さやオーケストラ使用といった製作側の力の入れ具合が感じられるも当時も現在もさして人気が盛り上がったといえない印象のOVA作品ではあれど、ともかくもシリーズはちゃんと完結してる。さて全体としてどういう話だったかというと、
…太平洋戦争の裏側で実はエイリアン侵略の危機が着々と人類に迫っておりそれに対抗するためにエイリアンの技術を転用した機神という名のロボットを要する国籍無用の「機神兵団」が設立された。エイリアンの妨害を受けつつもとりあえず枢軸国と連合国との人類同士での対立を止めるためにエイリアンと手を組んだナチスおよび一部の関東軍の暴走を止めますよ！ という感じ。ちなみに話はそこで終わるので、人類の行く末は不明。はっきりいって対エイリアン戦での分の悪さって当時の大日本帝国のそれと比較にならんと思うんだけど…
とまあ、一昔前のOVAってこんな感じの「シリーズが終わってはいるけど話は終わってない」感がよくあったよなあと懐かしく思いました。企画提示だけで満足してないか、みたいな。あとキャラクターの背景事情や各国間パワーバランスとかも説明不足気味。実際の歴史を参照してね！みたいな。そういうのもちょっとなあ。しかしそれぞれに設計コンセプトが明確に違う機神デザインや戦術演出は独特で見ごたえがあったし、クセの強いデザインのキャラクターが巻ごとのブレもなくクオリティ自体は一定に保たれていたので、わりと安心して楽しめたのも事実。なにより『八紘一宇』という微妙なモチーフを、それこそ全人類一致という前向きさに転じていた大胆さにちょっと感心したかも。私は好きだな、この作品。