今夜の風情はまるで夏の終わりのようだ。夕刻にあった通り雨の名残がいまだ色濃い曇天を、涼しいというよりかは肌寒い風が時折吹き抜ける。居間から漏れ聞こえるサッカー中継の熱っぽささえも、過ぎ去った季節への哀惜を誘わんばかり… しかしそんな錯覚が、気象異常の一種なのか単に自分の生活が季節感を失ったゆえなのかすら判別できないのが、今の私なのだった。(どこかへ)つづく。