SPRIT('17 アメリカ/監督:M.ナイト・シャマラン)

三人の女子高生が多重人格の男に拉致監禁されるという主軸に関しては退屈ではないものの特には新鮮味はなく、シャマランのとある既作とのリンクが明かされるラストに関しても、長い期間またいでもどうしてもやりたかったわけね!という感慨以上のものは無く。
ただヒロインの内面の苦しみは余計な描写を徹底して省くことで、深さを保ったままより広い共感を得ることに成功していて、シャマランがこれまで一貫して世界に投げかける切望の視点にブレはなかった。善きにしろ悪しきにしろ、孤独と苦悩が形もなさないままに無視され続ける理が常だとは私もそう思わない。