帰ってきたヒトラー('15 ドイツ/監督:デヴィッド・ヴェンド)

ある日こつぜんと現代のドイツに現れたヒトラー。人々は当初、彼を真に迫るもの真似タレントとしてもてはやすが、最初に見出したテレビプロデューサーだけが彼の正体に気付いて… というストーリーで、コメディから序々に風刺に重心が移っていく構成の巧みさが見所。昔を知る老婆が叫ぶ「最初はみんな笑ってた。私はぜんぶ見てたんだ」という警鐘の重さが今も胸に残っている。現代でも起こっている極端な政治主張への対応が、一世紀前の忠実なリプレイだったと目の前に突きつけられたようで。