老人と海

老人と海 (光文社古典新訳文庫)

老人と海 (光文社古典新訳文庫)

これまでの翻訳とは一線を画する落ち着いた主人公像だそう(当方初読)で、なるほど海という予測不可能な事態が起こりやすい場所で漁をする男として自然な口調で統一されている。静謐でありながら刻々と色を変える海の描写が美しく、後半の意外な展開とその淡然とした顛末ともども深呼吸するような気持ちで読んだ。