鏡の国のアリス

鏡の国のアリス (角川文庫)

鏡の国のアリス (角川文庫)

訳者解説によると、前作「不思議の国のアリス」執筆時よりもキャロルがアリス・リデルに会いづらくなっていた時期というだけあって、どこか諦観やノスタルジーが漂う。躁状態の楽しさは前作の方が大きいが、不条理の不気味さはこちらの方があり、哀感がうっすら漂うシーンも多かったりして、どちらもやはり捨て難い。訳に関しては、トゥイードゥルダムとトゥイードゥルディが関西弁でしゃべる趣向が秀逸。