ぼくの昔の東京生活

ぼくの昔の東京生活

ぼくの昔の東京生活

1950年代に美大に進学するために上京した頃の思い出を主に活写した断片集。キッチンがないどころか、コンロなどの火の気を一切持ち込ませない下宿システムなど、昭和40年代生まれの自分でも思いもよらなかった事がたくさん知ることができた。アルバイトとして入っていた看板会社で、先輩たちと同じように下書きなしでレタリングの文字列を描いていく(というか塗っていく)一連はなかなかにスリリング。ほか、子供時代に初めて信号機を目にして戸惑った記憶の章なども新鮮な視点を感じた。