ラファエル前派

ラファエル前派:ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)

ラファエル前派:ヴィクトリア時代の幻視者たち (「知の再発見」双書)

教会美術(その大家としてラファエロが上がる)に見られるような硬直した絵画の伝統の殻を破ろうと、18世紀イギリスに美学校の生徒たちによって誕生した一派がラファエル前派。(恥ずかしながら、その名称の由来が“ラファエル以前の自然物からの直接の写生と古典よりの自由な発想により描こう”という志向から来たものだとこの本で初めて知った)
ミレーやハント、バーン=ジョーンズ他の主要メンバーとその代表作、その外郭としての当時の批評などが時系列に沿って読めて、画像面でもテクスト面でもコンパクトな版型とページ数には十分な満足感がある。これまでと違う眼でラファエル前派の作品群を眺めることができそうだ。