新世界より

宣伝ふくめて(間にCMが挟まらないCS放送局では本編後にミニ紹介番組が付く)非常に力の籠りようが伝わる、丁寧さの目立つ初回らしい初回だった。超能力者が一斉蜂起したらしき現代から千年後の茨城県のとある集落という世界観、学校で仲良しグループを形成する子どもたちのそれぞれのキャラクターが卒なく展開されているのは、ベテラン脚本家の十川誠志の力量ならではだろうし、それに沿ってビジュアルを固めてくるのは久保田誓や小島大和といったガイナックス系アニメーターという地味に強力な布陣。これはこの秋必見の一本といえる。ヒロインが日常の中で不安要素の点と点を繋げて、ふいにそれが線をなし怯えを見せるくだりのリアリズムは、空間の限定的な暗さを強調した演出とともに「まんが日本むかしばなし」とさえ通ずる。民俗SFファンタジーとしては正解だろう。