戦う司書と絶望の魔王

アニメよりも原作版のニーニウの方が主体的に心理が炙り出されているのが、両者の尺の取り方の違いを示していて面白い。作中で誰よりも心優しいニーニウが絶望する、その時。もうひとりの魔王が英雄から堕ちて生まれかわる。強さと弱さ、肯定と否定とが表裏一体であるというテーゼをまるまる一巻つかって描き出すこのシリーズ構成は、時代がかった叙事詩を読んでいるようでラノベレーベルに慣れてない自分には新鮮。