ドラゴンランス秘史 時の瞳もつ魔術師の竜

ドラゴンランス秘史 時の瞳もつ魔術師の竜

ドラゴンランス秘史 時の瞳もつ魔術師の竜

本編を違う視点から綴った外伝全三巻の掉尾を飾る…が、シリーズ全体の最終巻となるかどうかは、訳者あとがきを読んだ後でもいまひとつ不明。これはいつものことだけど(笑)
さて、「ドラゴンランス」シリーズの影の主役ともいえるひねくれ者の病弱魔術師・レイストリンを視点主人公としているだけに、所々で引き込まれるセンテンスが他の巻よりやや多めかなとも感じた。特に本伝でもクライマックスだった暗黒の女王タキシスが降臨する儀式での二転三転する状況でただひとり、孤独とも呼べるような冷めた鳥瞰視を続けながらも一世一代の大博打をやり遂げたレイストリンの様子にはシリーズのファンとして感慨深いものがある(蛇足ながらキティアラのタニスへの気持ちが明確かつ端的に描写されている一点も見逃せない箇所)。