デッドマン・ワンダーランド

重力異常という謎の現象によって東京が壊滅した近未来を舞台とした監獄ディストピアもの。“現実は理不尽なものでおまえたちはそこから逃れる術はない”という看守長のセリフが端的にテーマを表わす。シナリオもそつないが、それをカヴァーする演出もよいタッグ具合で、囚人たちのピエロショーで苛烈ないじめが行われている最中なのを知ってか知らずか歓声をあげる一般客というカットが短いながらも強いインパクト。一見して白痴美少女的なヒロインも主人公にとっての精神的な救いへの可能性を提示していて、無駄を感じさせない構成の初回なので、バイオレンスな世界観ながら余分なストレスを与えてこないあたりに好感が持てる。