「幕末機関説いろはにほへと」全26話視聴完了

EMOTION the Best 幕末機関説 いろはにほへと DVD-BOX

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これも最終話がいろいろと素晴らしい。…中盤の迷走ぶりはちときつかったが。イギリス特殊部隊班の存在意義が希薄、ヒロインである赫乃丈と主人公・耀次郎のロマンスが深まる過程が少なすぎて感情移入できないなど、キャラクター間の感情をプロットの横糸として紡ぎきれていない点が多々あるのは確かだが、それらを終盤ではカヴァーできているのがかえって凄かったりもする。花魁とイギリス海軍士官との間に生まれた(なお、ヒロインもどうも似た出自のようであったけど作中で説明描写なしなのは惜しい)神無左京之介の精神がアルティメイト・アイテムである『覇者の首』に完全に掌握される第23話なんて、イギリス班総員の存在感のみならず、サンライズ伝統のライバルの悲運をおもわせるキャラ性の付与とが同時に行われていたしね。最終話でも、よく分からない狂言廻しのままきた茨木蒼鉄の心情を一気に吐露させながらも、それが超絶的に美しい殺陣になっていたシーンの後だから違和感をもたせない手腕に舌を巻いたり。そしてラストシーンの青春ものとしての爽やかさをストレートに出した演出には力づくな感じで持ってかれたなあと。もともとがネット配信という出自ながら、もっと知られていい佳作だと思う。なお、殺陣として他にオススメなのは第8話の廓の座敷を舞台とした一連のシーン。爽快感をあえて抑えている立ち回りがストイックでいい味出てる。