子どもたちのいない世界

子どもたちのいない世界

子どもたちのいない世界

簡明な文章で小さな人に向けて綴られた、絵本のような明るく優しい短編集(挿絵家は著者とは別)。「リンさんの小さな子」も切実な心理と状況を描きつつも、ユーモアがこぼれる文体となっていたけど、ここではそれがより顕著に。ふいに舞い降りた妖精がリアリストの子供に泣かされる一篇が特に好きだなあ。あとは居場所のない子供の救いのない救いの話と。