青い文学シリーズ「桜の森の満開の下」

バジリスク 甲賀忍法帖」でも思ったけど水樹奈々の発声は時代劇がよく似合う。しかしなんという昭和エログロ世界。作者のスタンスまで測った変化球の仕上がりは、キャラクターデザイン担当の久保帯人ケレン味重視作風とも響きあって、ミュージカル演出に代表されるコミカルさとヒロインの死に顔まで隠さず描くシリアスさとを違和感なく並立させた。荒木哲郎監督にこの原作を充てた人選が素晴らしい。しかし「桜、こぇーよ!!」にはほんと笑った。(人工的なまでの豪奢な美しさには、どこか酷薄なものがあるよね。私は梅のような素朴さのある花木の方が好みです。)