S-Fマガジン2008.10月号

S-Fマガジン 2008年 10月号 [雑誌]

S-Fマガジン 2008年 10月号 [雑誌]

新しい太陽の書」小特集。コンパクトながら内容の濃さはなかなか。贅沢をいえば作者以外の翻訳エッセイとかも読みたかった。関連短編二編のうち『地図』は本伝主人公の幼馴染で元同僚のエピソード。一般庶民のピース・オブ・ライフ(軽い焦燥味)という風情で、あらためてセヴェリアンの視点のイレギュラー性が浮かび上がる趣向にも。もう一つは劇中劇(書中書?)といった位置付けの『葉と花の帝国』。緑の服と黄の服をそれぞれ身に着けた兵士が戦いつづける世界という基本設定時点から、すでに時間をテーマにした寓話(葉-緑-と花-黄-はともに木につき見ようによっては競い合うかのように)であることは明白という事だったかも。少女と賢者の関係は、本伝中の年より若くみえるお気に入りの美少女とイナイア老とを思わせるし。