キスダムR#24

アバンの別の3人が由乃に『死者の書』で刺されるシーンの意味は、あらかじめネットで一解釈を読んでなければ多分わからなかった。作画修正の件といい、時には周回遅れでアニメを観る効用もある(--まあ色々と不整理な点はあるんだよね。燻が玲と人類を天秤にかけて後者を選んだこととそれを請けての画策のつながりが説明不足だとか。ただそこに作り手の情熱の先走りもまた伝わってくる雰囲気があるから…あと意外に創作一般に蓄積されたアーキタイプを踏襲したスタイルの作品でもあるので“なんとなく分かる”面がある--)ようで。本筋では、玲が最終覚醒して人類をDNA情報に還元しはじめる。ベルゼブやハーディアンを倒しても終焉はやってきた、と(これも燻の予測に含まれていた?それともネクロダイバーが生まれること自体を阻止して先延ばしするだけが目的だったんだろうか。うーんやっぱりよく分からない)。シュウはというと玲にうりふたつなヴァリレイというしもべに異空間で翻弄されていた(余談ながら一話で二度もおろし金攻撃かけられる主人公ってすごいな)。ネクロダイバーの闘争そのものが種や惑星の運命と直結しているようだから、ヴァリレイもまた玲の別レイヤーでの存在ってことなんだろう。で、シュウが戦わされていたクリーチャーはシュウ本人をも含めた宇宙で生きとし生けるもの全体の闘争心の具現って感じ?…まあ設定咀嚼は置いておいても、今回の一番の肝である燻が最後まで愛と敵対というアンビバレントな心でもって娘である玲に向かいそれを昇華させたシーンにはじわりじわり感動した。ヴァリレイの浮世離れそのものなセリフ廻しといい、非常に脚本(クレジットは大野木寛)が興味深いいい仕事してた。あと先週にあらかじめネクロワールドの表現をがんばったとコメントアピールしてた意味合いはありましたね。尾形光琳を思わせる金色世界のサイケデリックさは強烈だったし、物理的に制約を持たない存在のヴァリレイの異色さを表現したカット割も相当徹底してた。柚木涼香の格調ある演技も見事でした。さてキスダムRコーナーは先週に引き続いて小美野・高橋コンビ。10日とか二週間で作画する現場だったという言葉に経験者としての重みが感じられるne!