六人の女王の問題

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

犯罪ホロスコープ1 六人の女王の問題 (カッパ・ノベルス)

『犯罪ホロスコープ』と銘打たれた黄道十二星座シリーズの本格ミステリ短編集一冊目(私自身は魚座生まれなので、まだ書き溜められていないと思しき二冊目の発刊が楽しみ)。作者は本格ミステリの若手旗手らしいけど、あまりこのジャンルに手を出さない身にとっては初読。ただ、「聖闘士星矢」や「タッチ」という漫画タイトルがちらっと出てきたりして世代としての近しさが感じられてその点でも、また捻ったところのない素直な文体や『無理筋』(この単語は本書内で知ったばかり)のほとんどないアイデア・プロットの面でもかなり読みやすかった。ベストは表題作にもなっている牡牛座ケースかな。あと各章の頭で星座の元となったギリシアローマ神話を詳しく紹介している(し、本文の事件内容にもモチーフとして深く関係しているんだけど)あたりも興味深く読めた。