ブラックジュース

ブラックジュース (奇想コレクション)

ブラックジュース (奇想コレクション)

息の長いシリーズとなっている『奇想コレクション』最新刊。今回編まれたラナガンは、作家としてはまだキャリアが浅いといっていいらしく、アイデアの練り方や描写の粘り腰にまだ物足りなさが感じられる。そんな中でベストを選ぶとすればウェディング界隈の風刺ともとれる「融通のきかない花嫁」。キャラクターの現実味と浮遊感のある状況設定との相性が一番良かったと思う。野良天使と呼びたくなるような“生き物”が出てくる「俗世の働き手」も泥臭さのある孫息子と祖父の関係性がいい味出てた。