最近の「かむろば村へ」

もひとつついでにビッグコミックの話題。もうひとりの主人公ともいえる村長の過去の体験が明らかにされて、いよいよいがらし節が本格的に回りだした感じ。銀行業務に心身くたびれはてて、素朴な暮らしを求めて農村に来たはずなのに期待をスカされ続けている主人公青年が、様子を見に来た母親に「前より元気そう」と言われたそのままに、カオスな人間模様をおおむね大らかに受け入れられているあたりに救いが感じられるけど、それにしたって実にドロドロしててなんだか段々読んでてこわくなるのがミソだなあ。そうだよ、田舎は実のところ、うん、あれなんだよ… 他にもちょっと前の号では、ギャグ作家として順調に復帰した感のある小林よしのり「遅咲きじじい」やら小説でやろうとしてた事とのリミックスがようやく組み合わさったのではという山上たつひこの「中春こまわり君」とか、予想外の方向へ展開していっていい意味で気色悪い中年恋物語になってたいわしげ孝の「単身花日」とか、ものっそい盛り上がった空気になってた時期がありました。ビッグコミックって基本地味なだけに時々山がやってくると妙にうれしくなるんだよなあ。