Selfconsciousness-岩崎琢 劇伴音楽集-

Selfconsciousness-岩崎琢 劇伴音楽集-

Selfconsciousness-岩崎琢 劇伴音楽集-

今年40歳になるアニメBGM作曲家のこれまでのお仕事総集編。CD二枚組で総計39曲収録。ライナーノーツにはインタビュー付き。こうして通して聞くとメロディライン自体に大きな特徴があるというよりかは、手堅いアレンジで作品イメージをぱしりと締める役割を担うストイックでドライな劇伴作家という印象。その意味で70年代劇伴をパスティーシュした「009-1」の仕事が(インタビュー中で「びんちょうタン」とともに挙げて本人も述べている通り)一つの到達点で間違いないかと。私、これのメインテーマ曲に目がなくてねー。紺野直幸のイラストとともにあの作品のEDはこれまで見てきたアニメの中で指折り。さて、ストイックと形容してみたものの、岩崎琢はどちらかといえば自分の主張を過不足なくストレートに述べる方らしく、先日から読んでいるブログもざっくばらんかつ専門的な内容も混じって面白い(腰痛ははやく良くなりますように)。幅が広いけれども、節操がないのではなく、自己という軸(そういえば本コンピュレーションにもseifという単語がみえるな)に沿って作品によって揺れ方の径を変えているスタイルで、その姿勢のブレのなさにはなんとはなしに鑑賞者からすると信頼に足るものがあるように感じたりもする。整然としていながらも混沌とした要素(D2-T14『“Libera me”from hell』「天元突破グレンラガン」でのクラシックとラップの交互歌唱が顕著)もあったりする点も好みかも。