Vフォー・ヴェンデッタ('05/英・独)

これはよいびっくりどっきり大作戦&ポートマンのロリータコスプレ大会ですね。…後者はほんとうに良かった(女の私でも破壊力抜群だったよ。テレビ局のシーンみる限り、ナタリーたんは結構小柄)けど、前者はちょっとうーむだね。倫理的にもリアリティ面でも。しかしまあテロリズムという重いモチーフを扱うには、あるいはこれぐらい軽い口当たりに仕上げた方が娯楽として誠実といえるのかもしれない。同じウォシャウスキー兄弟脚本の作品でも「マトリックス」よりこちらの方が好きです。Vは怪傑ゾロのようでもあり、オペラ座に潜むファントムのようでもあるけど、彼らと違って顔や名前、生い立ちなどといったものは自ら完全に捨てている。なぜならVとは理念そのものが形を為したものなのだから--ということで、全身が焼け爛れた傷だらけの男が自由という旗印を背負うという寓意性にグッときたのでした。さてこの映画の白眉は、公安局長の手下をバッタバッタとなぎ倒す(ガン=カタを習得してれば銃弾は避けられたのにー)Vの身のこなしも捨てがたいけど、Vやイヴィーに読まれたレズビアン囚人の回顧録部分。特に干したシーツの間でのキスシーンが美しかった。あとホモセクシャルのテレビ業界人とかジャヴェール警部を思わせる警察のおっさんとかいいサブキャラがいたなー。