黙読の山

黙読の山

黙読の山

文学を実際に講義しているだけあって、とても勉強になります。詩人という出発点ながらエッセイで扱う範囲は散文から小説まで多岐に渡る。その事でかえって詩をよみはじめたくなるから不思議。詩とは、散文にくらべて作者の主観が大部分を占める世界なのだそうで、それが読まれなくなっている現代とはたしかに文学の危機ではあるのでしょうね。しかしそれでも、荒川氏は淡々と文学周りの人々の活躍を紹介するのだ。それは期せずして書題通りの『黙読の山』。静かなる戦いの前線をなす壁。