デイ・ウォッチ

デイ・ウォッチ

デイ・ウォッチ

水のドレスをまとった溺れゆく娘というモチーフのイラストを用いた装丁がすごくきれい。第一章を読み終わった後だと特に。シリーズ前作「ナイト・ウォッチ」よりも各章の独立性が高いので、より面白かった。人間の暗い本質を行動指針とする『デイ・ウォッチ』(光の魔術師たちを監視する組織の意)側を視点主人公とする事で人の行動における“愛”の位置を描くという最終的なテーマも渋い趣向で唸らせられた。一見それとは関係なく思われる第二章も、愛とはまったく関係のないところで人間を動かす“薄闇”の残酷な在り方について考えさせられる。異人たちの力の源である“薄闇”の象徴するところは世界の均衡であり、創造と破壊の双方でもあるという感じかな。それにしても映画版の方も続き視たいなー ビデオグラムだけでも日本版が発売されないのかな。