風の少女エミリー#14

「海辺のピクニック」:ペリーの悪意のかけらもない言葉がプチ作家自意識搭載型エミリーにクリティカルヒット。たしかにアイスが溶けちゃうのは大問題だよ! 詩はもどってくるかもしれないけど電気冷蔵庫のない時代の手まわし即製アイスを食べる機会はなかなかめぐってこない。徹夜明けでハイになってたイルゼの軽率さはたしかにあったとしても、ところかまわず自分の世界にこもるエミリーも不注意ではある。そして、たとえ親しい友達同士でもお互いのその時々の事情に通じているわけでもないときちんと構成された脚本で描いた好エピソードでした。まさかイルゼの寝坊疑惑をかばうエミリーという描写が後半の心情面にまでかかわってくるとは思わなかった。文学作品をアニメライズすることへの誠実さがより感じられた回だった。あと春の遠足のわくわく感の演出も高いクオリティでよく機能していた。浜辺への斜面をかけおりる子供たちの足元の、軽い砂埃とかとにかく細部がこまやか。