前述の「キャラ論」の観察記述からもよく分かったけど、ネット上での騒ぎや共同体内いじめのトリガーになりやすい『キモい』という発語の意味は“あんたは逸脱している/自己演出の意味合いが過剰である”とレッテル付けする(あたかもそれらがすべて主体性に由来する自己責任であるかのように)ということなんだな。そして決め付けの幅が以前よりもずっと狭くなっているというのは日々の生活の中で実感される。それは内なるプチファシズム。それほどまでの自己規制(かくあるべしというベクトルは他者に向かうと同時に自分自身への確認投射でもある)が個人の内部に装置されてしまった起点は、やはり強烈にエポックな事件と災害が発生した1995年にあるような気がする。もう10年ぐらい経てば誰かが『1995』とタイトリングした作品を発表しそうな予感。それにしても自己規制が大好きな国民性ってどうやれば治せるんでしょうね。ひとつ思いつくけど、それを実現させるためにはそれこそ国民投票提起、あるいは草の根革命… つまりどちらも可能性はコンマの世界か…
